小泉純一郎首相が党内の反対勢力を追い出すために、郵政民営化で衆院を解散してしましました。
そこで、ジャーナリスト出身のムッソリーニ顔負けのメディア戦略を練って、国民は熱狂しました。
閉鎖されたメルマブログ「新聞批評」より。
「大衆操作と宣伝メディア」(2005年09月23日)
大衆操作は権力エリートにより巧妙に行われる。
政府、政党、官僚により、あるいはジャーナリスト、評論家、知識人が新聞、テレビ、雑誌などに登場して、一般大衆の人間の自尊心や自発性に訴えながら、権力エリートの欲する方向へ、市民が望み考え、支持するようにリードしていく。
その際、用いられる言葉はシンボルと呼ばれる。
改革を止めるな。前進か後退か。賛成か反対か。
郵政民営化法案が参院で否決され始まった衆院解散総選挙は、この政治シンボルに言葉の魔性が潜んでいた。
大衆を統治する上で、行動による物理的強制でなく、心理的強制をどのように図るかは、現代民主主義では、政治シンボルが極めて重要な役割を果す。
大衆操作は消極的には情報を統制規制、積極的には政治シンボルを使用し、大衆による支持のムードや熱狂的情動をかきたてることによりなされる。
今回の総選挙では、小泉・自民党はこれが成功し、岡田・民主党にはこれがなかった。
またメディアは小泉・自民党の宣伝の道具になっていなかったのか。
大衆にはこれが見分けられなかったのか、あるいは見透かせての賢明な選択だったのか、今後の4年間で解答が得られるが・・
いずれにせよ小泉純一郎・総理大臣は、メディア利用を知り尽くしたムッソリーニに並ぶ大衆を権力維持の手段として利用した類まれな政治家だったことは証明されたかも。